Editor's Room

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2011年9月15日(金) 「歴史」

私たちが習った歴史と、今の歴史ではいろいろ違ってきているのは、噂で知っていた。しかし、鎌倉幕府の始まりが1192年ではなく、1185年なんて、想像もしていなかった。「いい国つくろう、鎌倉幕府」がもう通じないなんて、悲しすぎる。1185年でゴロを考えてみたが、しっくり来るものはなかった。お札にまでなった聖徳太子が、今は「厩戸皇子」として知られているとは。そういえば、誰もが覚えがある足利尊氏の絵は、その部下だったということになっているらしい。ええ!あの猛者が!?とこれまた衝撃を受けた。ほかにも衝撃的な変更が加えられていそうだ。一度、教科書を買って読んでみようかと、山川出版のホームページを見たりしている。(M)

史学徒としてE.H.カーの名著『歴史とは何か』を忘れてはならないが、とうの昔に史学部を卒業したので、すっかり忘れた。そもそも史学徒であった頃も内容を掴んでいて「歴史とは何か?」と活発な議論を戦わせたわけはなく、2002年日韓ワールドカップにおけるサッカー日本代表のベストなフォーメーションは何かについて昼夜問わず議論していたので、そもそも本書の内容を理解していないという方が正しい。ただ理解していないなりに、この書の難解な日本語、この書を扱った講義の睡魔と戦い抜いて、断片的に覚えていることとは歴史の客観性の否定と「歴史とは現在と過去の対話である」というフレーズである。歴史とはどんなに客観性を偽装しようとも、結局は歴史家の解釈と現在という土台なしには見れないのである。客観的な歴史を見るためには22世紀にはネコ型ロボットが乗り回していたタイムマシーンの登場を待たねばならぬ。なので、机の引き出しを開いてはドラえもんが飛び出してこないか気を揉んでいる。性格の優しさをのぞけば、ほぼほぼのび太のような怠惰な私だが、なぜ未だにドラえもん来てくれないのか。蛇足だが、エディターMが「足利尊氏の絵」について触れているが、その絵の風貌に似ていることから「尊氏」とあだ名をつけられた者がいた。だが彼には同時に「踊り念仏(一遍上人)」というあだ名もあった。全く異質ものである尊氏と一遍上人の奇跡の邂逅に思わず身震いしたものである。ちなみにその彼とは私のことではない。(HK)

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