Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2013年7月5日(金) 「写真」

ブームとなるものは、まずは盲目的に唾棄することから始める。女子の間でカメラがブームだという。オマエが女子なら、オレは男の子だと言い放ちたくなる云々はあくまで蛇足であり、なぜ揃いも揃ってカフェラテの写真を撮るのか、高そうな一眼レフカメラがもったない。要するにそのカメラが羨ましい、此畜生というのが論旨である。芸術性は求めていないが、自分の腕に問題などあるはずもないので、カメラさえよくなれば、もっと良い写真が取れるのではないかと、無邪気に思う。決裁が下りないものか。独身の時に勢いで買ってしまえばよかったという後悔である。なぜ写真を撮るのか。自分たちの下手くそなサッカーを撮影して嘲り笑い合ったり、傷を舐め合うために、また、私のDNAを受け継ぐというハンディキャップを負いながらも無邪気に育っていく子供の記録として、妻の老化のビジュアルブックマークとして、写真を撮る。そこにあるのは今この瞬間を忘れたくないという執着か。弊社のオフィスは9階ながらも皇居に面しているおかげで見晴らしはいいし、雪が降ったり、桜の満開の時などはそれなりに感動するものだが、写真に収めたところで、執着はないので、すぐに消してしまう。10年後、20年後、30年後、写真があれば今この瞬間を忘れない。とりあえず10年前の写真があれば、昔は痩せていた証明にはなる。格好良かった証明にはならない。(HK)

年を追うごとに、どんどん写真に写りたくなくなる。「じゃあ、みんなで・・・」という場面では「あ、私、撮ります!」とものすごい勢いでカメラを奪う。特に子どもの隣で写真を撮られるのは、何が何でも避けたい。生命力があふれ、肌がピッカピカの子どもの隣で、笑顔でいられる自信はない。パソコンを新しくしたら、顔認識システムが付いてきたので、一応使っている(家から持ち出すこともないのに)。が、毎日、モニターに映る自分を見るのは、毎日、写真を撮られているようで非常に苦痛である。これって、現実を受け入れられないだけなんだろうか・・・としばし考え込み、なんだか切ない金曜になってしまった。(笑)(M)

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