Editor's Room

itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2015年10月9日(金) 「本当にあった怖い話」

友人と海外旅行(アジアの国)に行ったときのことだ。買い物をして、足つぼマッサージを受け、おいしい食事を終えて、タクシーでホテルに向かった。言葉が通じなさそうだったので、文字で書き、地図を見せた。「わかった」と言って、運転手は車を出した。ホテルから出かける際もタクシーで行ったが、なんだか行きと道が違う。渡るはずのない橋を渡り、真っ暗な建設現場を進み続ける。明らかにおかしい・・・。友人と小さい声で「これ、まずいよね」と話しながら、足が震えてきた。しばらくすると、真っ暗な建物の前でタクシーが停まった。こんな真っ暗な建物に用があるはずがない。乗っているのも怖いが、そこで降りるのも怖い。とりあえず「ノー、ノー」と言って、もう一度、ホテルの名前を見せた。運転手は悪びれる様子もなく、発車させた。二人とも、怖くて声も出なくなっていた。タクシーは、来た道を戻っていく。だんだんと街の灯が近づいてくる。先ほどタクシーに乗った場所を通過し、しばらくすると目的のホテルに到着した。極度の緊張・恐怖から解き放たれ放心状態の私たちは、タクシーの運転手に怒る気にもなれず、言われるがままの金額を支払った。今思い出しても本当に怖い。今、こうやって、エディターでいられることを幸せに思う。(M)

ドメスティックな会社に入社したはずであり、英語はナニソレオイシイノ?カタカナ語を排斥すれば、鎖国の完成と思いきや、いつの間にやら同じ部署の人間半分近くが外国人となった。バテレンはポルトガル船で、ペルリは黒船で、マッカーサーは「バターン号」でやってくるから非常にわかりやすいが、我が部署の外国人は東京メトロ東西線でやってくるものだから、いつの間にやら脇を抑えられていた。私は、中学の頃は英語の発音の良い同級生をあざ笑い、大学受験の際は第一志望が辞書持ち込み可であることから一つの英単語を覚えるより、一秒でも辞書を引くスピードを速めることに躍起になっていた人間だ。瀕死の重体であろうと"How are you?"と問われれば、「アイムファイン、サンキュー、エンドユー」と応える様式美を愛する人間でもある。いつの間に放り込まれたビジネス英語の世界。それでもほとんどの外国人は私とは桁違いに頭が良く語学力が高いので、日本語もほぼ完璧。末っ子の甘えん坊である私は、蛇口をひねれば出てくる水道水のように、当たり前のように日本語で彼らとコミュニケーションしていた。しかし、日本語を勉強中の同僚もいるのである。時々する彼との1対1での打ち合わせが怖いのである。チャットが飛んでくると、心臓が止まりそうになる。私は義務教育を受け、大学まで出たのに、なぜこんなにも英語ができないのか。すっかり怖くなるのである。英語を使えるように少しでも上達せねば。しかし努力は苦しい。すっかりGoogle翻訳がなければ生きていけない体になってしまった。しかし、そうなると私と外国人のコミュニケーションの全てはGoogleに委ねているわけであり、Googleに私の弱みを握られているようで怖い。(HK)

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