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[No.55]  安藤 潔のおすすめ
ナラティブ・ベイスト・メディスン 臨床における物語と対話
トリシャ・グリーンハル、ブライアン・ハーウィッツ著(金剛出版)


医師・患者の意志決定、コミュニケーションなどの医療のソフトウェアに関してここ数年大きな変革がもたらされている。英国のBrithsh Medical Journal、米国のNew England Journal of Medicine, JAMAなどの一流の臨床医学雑誌が主導して科学的な意志決定に基づく医療、EBM(Evidence based medicine)が普及しており、日本でも最近は何かにつけ「根拠に基づく医療EBM」が叫ばれている。この流れと相前後して提唱されているのが本書のタイトルとなっているNBM(Narrative based medicine)である。Harvard大学のArthur Kleinmanが1988年に「病の語りThe illness narratives」を出版してから、医師・患者関係の中で患者の持っている「病に関する物語」に注目することの意味が重要視されてきている。

「患者さんの話をよく聞きましょう」というスローガンは病院のいたるところで聞かれ、一方で「医者に話を聞いてもらえない」という患者からの不満は後を絶たない、という状況でそのときの「話」とは何を指しているのだろうか?その疑問に対するキーワードが「物語Narratives」なのである。EBMとNBMが車の両輪となって進められる医療が今後の目標となっていくのであろう。

本書はBrithsh Medical Journal出版部より出されたNBMの教科書となるもので、その目指すところがわかりやすく書かれています。医療という特殊な状況を離れても、最近のコーチングの隆盛はそれぞれの個人が持っている「Narratives」を引き出して言語化を促すところに真骨頂があるのでしょう。さまざまな分野でシンクロナイズした動きがおこっています。


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