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コミュニケーションのプラットフォームを創る

私は今、6つの会社を経営しています。コーチングの会社が2社。それからディスカヴァーという出版社。キャッチボール・トゥエンティワン・インターネット・コンサルティングというインターネット関連の会社。そして、20年前に最初につくったイッツ・ア・ビューティフル・デイというコミュニケーションの研修をしている会社。それから、一番新しいのは、ごきげん125という会社で病院などのコンサルティングを行っている会社です。その他に、講演をしたり、本を書いたりしているわけです。

これまで、周りの人たちに(社員も含めて)、なんでこう脈絡のないことをするのだと何度も聞かれてきました。自分でも「これだ」という答えがあったわけではないので、聞かれるたびに適当に答えてきました。ところが、最初の会社をつくって20年を過ぎ、今起こっていることを見て、よくよく考えてみたら、ついこの間、その答えがわかりました。

どの会社も明確なゴールがあって取り組んできたわけではありません。「こんなことがやりたい」「あれもできたらおもしろいな」と、やりたいことをやってきたらこうなってしまったというのが現状です。人には「目標持って生きろ」と言いますが、私自身は特に目標を持って生きてきたわけではありません。何かやっていて、それをやっていることが楽しいわけです。

何でこんなにたくさんのことをやってきたんだろうと考えていたら、結局は、コミュニケーションのプラットフォームをつくりたいと思ってきたのだということが見えてきました。プラットフォームとは「場所」だとは限りません。本を書くという行為もプラットフォームです。私の思っていることが活字になって、それを皆が読むとそれがプラットフォームになる。病院も、完全にプラットフォームです。人か集まって、隣の人となにげなくしゃべっている。コーチングなんて、まさに人と人との間にプラットフォームを創り出すことが仕事なわけです。

その昔、縁台ってありましたよね。用もないのに、近所の人が集まってきて縁台に座り、ああでもないこうでもないってしゃべっている。私はあれが好きなんです。子どもの頃、父が事業をやっており、夜な夜な社員を集めては宴会をやっていました。私は、その宴会のドンチャン騒ぎの音を聞きながら寝るというのがとても好きだった。妙に安心するんですね。おとながギャーギャー騒いでいる。それを聞いて「うるさいなあ」なんて言いながら寝るのが、すごく好きだった。だから今でも静かな所では眠れません。

そういうプラットフォームをつくりたいと思ってきて、こうしてたくさんのプラットフォームができたわけです。さっきも言ったように、プラットフォームというのは、何も「場所」だけではありません。コーチングの中で、コーチとクライアントの間にはプラットフォームができあがる。それは「場所」ではないけれど、ふたりにとっては大切なコミュニケーションのプラットフォームなわけです。

一人ひとりに限って考えれば、プラットフォームは、自分の居場所、止まり木みたいなものでもあるわけです。その居場所や止まり木っていうのを持てない人は、なんとなく心にゆとりが持てないでしょう。プラットフォームをいくつも持っている人は、ゆとりがあるんですね。ひとつのプラットフォームに偏っている人たち、そこにしがみついている人たちは、ゆとりを失っていくし、自由な発想もできなくなっていくし、煮詰まっていくんだと思うんです。

たくさんのプラットフォームを創りだし、いろんなプラットフォームをもっているということが、人が生きていく上において、根源をなすものではないかとこれまでも薄々思っていたんだと思います。もちろん、そういう背景を考えてたくさんの会社をつくってきたわけではないのですが、結果として、そうだったということです。

では、プラットフォームの上で何をするのか。あなたにとって一番重要な情報、役に立つ情報というのは結構身近な人が持っているのをご存知ですか? もっとつめて考えれば、あなたにとって役に立つ重要な情報は、あなたの中でまだ眠っている可能性だってあります。プラットフォームを移動していくと、そこで初めて自分の中で眠っていたアイデアが発掘されるような機会があるのではないかと思います。


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