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堀越正男

[No.72]  堀越正男のおすすめ
さらば、愛しき鉤爪
エリック・ガルシア 酒井昭伸 [訳](ソニーマガジンズ ヴィレッジブックス)


おれの名前はヴィンセント・ルビオ。卑しき街の孤高の騎士、ロスの私立探偵だ。調査中に不審な車にひき逃げされた相棒の死以来スランプが続き、今ではクレジット会社からの請求に追われる生活をしている。おまけに重症のバジル中毒だ。今日もコリアンダーをやりすぎて、尻尾でピョンピョン空を飛べるくらいハイになっている。自慢は、何でも切り裂くするどい鉤爪と、体に巻きつけ衣装の中に隠した尻尾の力強い一振りだ。

そう、おれは人間じゃない。人の皮をかぶった恐竜、着ぐるみやCGじゃない本物のヴェロキラプトルだ。ホモサピエンスの爆発的な繁殖が止められないと踏んだご先祖様は、人の皮をかぶって共存をする道を選んだ。もちろん人間どもはそんなことは知らない。

世を忍ぶ生活は不便だろうって?合衆国人口の5%は恐竜で、きちっとネットワーク化されている。たいていの大病院にはおれたち専用の特殊病棟が作られているし、警官の10%は恐竜なので揉め事の処理もだいじょうぶ。人の扮装を脱いで、リラックスして遊べる専用のクラブも多い。

おれたちの社会の最大のタブーは、人におれたちの存在を知られることと、人との異種間交合だ。今回の仕事は保険会社からの依頼で、ナイトクラブ火事の調査だ。破産目前のおれにはどうしてもやりとげなくてはならない仕事だが、どうもぷんぷん匂う。相棒の死の秘密と人色(じんしょく)の匂いが…。

後は“名無しのオプ”ならぬ、おれ“Anonymous Rex”の活躍を読んでくれ。いろいろ辻褄が合わないところもあるが、読んでのけぞっちまうこと間違いなしだ。


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