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本間正人

[No.76]  本間正人のおすすめ
ラッキー・マン
マイケル・J・フォックス 入江真佐子 [訳](ソフトバンク・パブリッシング)


「バック・トゥー・ザ・フューチャー」や「摩天楼はバラ色に」(Secret of MySuccess)でおなじみの俳優マイケル・J・フォックス氏の自伝です。ベストセラーになっているので、お読みになった方も多いと思います。

実年令よりもずっと若く見えるマイケルが、パーキンソン病であることを発表したことは、全米に大きな衝撃を与えました。

パーキンソン病は、神経伝達物質の分泌に関わる病気で、一般的には高齢者のものと言われています。ボクシングのモハメド・アリがオリンピックの聖火台に立った時の姿は強烈な印象を残しましたが、手の震えや顔の表情のこわばりなど、俳優にとっては致命的な結果をもたらします。

著書「ラッキー・マン」のメッセージは「自分は病気になったからこそ人生の中で本当に大切なものを発見することができた」という前向きなものです。超売れっ子の大スターの時代に「見失っていたこと」が何だったのかについては、是非、この本をお読みいただければと思います。

先日、たまたまケーブルでTVシリーズ「スピンシティ」の最終回を見る機会がありました。マイケルの役どころは、市長を補佐する広報官。しゃべり方や何気ない動作に、パーキンソン病らしい特徴が出ていました。この番組は、スタジオの聴衆の前で演ずるシチュエーション・コメディで、最終回の舞台挨拶は本当に感動的でした。主役とプロデューサーをつとめあげた達成感、そして、カミングアウトした解放感があふれていました。

このTVシリーズが誕生したのは、映画「アメリカン・プレジデント」で大統領補佐官役(クリントン政権のジョージ・ステファノポリスがモデルと言われている)が、評論家から高い評価を得たためでした。しかし、その映画の撮影中は、震えを止める強い薬を飲みながら、同僚の俳優や制作スタッフに隠し続けている時期だったのです。

この映画を見た時、彼の芸風がずいぶん変わったなあと感じていましたが、実は、不安と苦悩でいっぱいだったという背景の事情 が、この本を読んで初めてわかりました。

僕自身、そんなに熱心なファンだという自覚はありませんでした。でもある日、僕の携帯の着メロは過去数年間「バック・トゥー・ザ・フューチャー」だったということに気がつきました。これからはマイケルに作家としても活躍してほしいなあと思っています。英語版(Ebury Press)も読みやすくおすすめです。筆力も大したもので、ウィットに富んだ軽妙な文体です。


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