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itoh.com の舞台ウラをリアルタイムにご報告します。

2006年4月21日(金) 「歴史上で尊敬する人物」

その昔、大学に入学するときに、面接があった。普通は大学入試に面接はないと思うが、いわゆるエスカレーター式の内部推薦というやつだったからだと思う。確か面接の前に、履歴書のようなものを書いたような覚えがある。そこに「尊敬する人」という項目があって、私はそこに「レーニン」と書いた。面接では、思いきり、そのことを聞かれた。ベルリンの壁が崩れる前だったし、珍しかったんだと思う。私は当時、本当にレーニンを尊敬していた。今でも、どっちかといえば尊敬している。共産主義を支持するとかいう話ではなくて、「人はすべて平等であるべき」と考え、そういう社会を実現しようとしたその姿勢は、人としてやっぱり尊敬できると思う。最近は、「国盗り物語」に影響されて、美濃の斎藤道三が、かっこよくて好きだ。実現すると決めたことを、確かに実現させていくその生き方が、男としてかっこいいなあーと思うのである。「尊敬する人」ねえ〜。なかなか難しいお題だ。(C)


このお題について、数時間考えた。1つ分かったのは「好きな人物」と「尊敬する人物」は違うということだった。浮かんでくるのは「好きな人物」ばかりで、その多くは「奇人」と呼ばれていた人。好きだけど、尊敬という気持ちとはかなり遠いところにいる。さらに熟考し、アガサ・クリスティにしようと決定した。中学生の頃、「ナイル殺人事件」を読んだ。読み終わって犯人が分かったときに鳥肌が立って、その夜は興奮して眠れなかった。アガサ・クリスティの頭の中はどうなっているのだろうと、そればかりを考えていた。それからしばらく彼女の作品を読みふけった。考え付かないトリックの数々に私はみせられていた。・・・と書いていたら、彼女も奇行で有名だったことに気付いた。もしや、私は奇人が好きなのか。それとも才能ある人は奇人が多いのか。後者であることを願う。ところでアガサ・クリスティを「歴史上の人物」と呼んでもいいのだろうか。はて。(M)


史学科出身の世界史マニアなので、『歴史上で尊敬する人物』という今回のお題はホームグラウンドといってもいいのだが、数時間考えても出てこない。専門に研究しなければ分からないような人物を挙げることが出来れば、知識人風でカッコイイが、劣等生の私はゲオルギオス・ゲンナディオス・スコラリオス、ディオニシオス・スキロソフォス、エフティミオス・ブラカヴァスなど舌を噛み切りそうな名前を覚えるだけで精一杯(覚えたのかどうかも怪しい)。尊敬というレベルまで到達できるわけがない(そもそもここに挙げた人物は傀儡の宗教指導者であったり、反乱の首謀者であるので尊敬の対象とはなりにくいが)。大学時代の不勉強を後悔する。逆に好きな人物だったらたくさんいる。好きな理由は何でもいいからだ。エロカワイイでも理由としては通用するのだ(歴史上の人物の誰がエロカワイイかという議論は置いておいて)。しかし尊敬している歴史上の人物を問われて、その理由としてエロカワイイを挙げることを今の社会は許してくれない。遅れている社会を呪いつつ、寝る間を惜しまない程度に考えた結果、私の『歴史上で尊敬する人物』はカエサルとする。その業績、才能は人類史上まれに見るものがある反面、女たらしであり、さらに禿頭に悩み月桂冠をかぶる特権をもらったときは殊のほか喜んだというエピソードなど人間味にも溢れている。ローマを民主制から帝政へと導いた人物として批判されることもあるが、洞察力に富み、ローマの繁栄の礎を築いた人物として尊敬したい人物だ。私もカエサルのようになりたいものだが、唯一真似をしなくない「禿頭」ぐらいしかカエサルに近付けそうもない。現実は厳しい。(HK)