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読字障害について
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アメリカのTV局、PBSのウェブサイトより、ドキュメント番組に登場した学習障害の子ども達のレポートを紹介します。

ネイサン・ヴァンホイの物語

(本が大好き、でも読むことが出来ない少年)

ネイサンの両親は、彼が学校で成績優秀になることを疑ったことはありませんでした。本への情熱があり、好奇心旺盛、口達者で外向的な性質の彼は、友達の間でリーダー的存在だったのです。しかし、1年生になってすぐ、ネイサンは学校で苦しむようになりました。テストでは明らかにどの子よりも下の成績をとるようになったのです。しかし両親は彼の話術と低い成績とを関連させて考える事が出来ませんでした。

ネイサンは本を丸暗記する能力があったので、その時は他の子から遅れを取る事はなかったのですが、そのために、逆に、本当は本を読めないという、深刻な問題を隠す結果となってしまったのです。両親はしぶしぶ学校の申し入れを受け入れ、ネイサンは1年生を再履修する事になりました。しかし2年生になってからも、彼は再び落第してしまうのです。

1998年の秋、両親はリヴァイン先生の診察を受け、彼はネイサンを音韻認知障害-単語を作るそれぞれの文字の音の違いを生まれつき区別できない障害-と診断しました。ネイサンのような子どもにとって、個々の文字とその音を解読することはとても困難で疲れることなので、やがて、たった今読んだものが理解出来ないところまでいってしまいます。

友達やいわゆる社会的成功から隔離された全日制の援助センターへネイサンを入れるべきか。あるいは、彼が絶対必要とする援助を受けることの出来ない、普通の生活にとどまるべきか。両親の新たな難しいジレンマが生じました。

結局、ネイサンは学校に設置された援助センターに在籍し、そこでも苦しみ続けましたが、次の2年間で目覚しい進歩を見せました。リヴァイン先生はネイサンに対して、家でも学校でも、彼の強みである話術を引き出し読書の困難を埋め合わせるようなタスクや戦略を提案していったのです。ネイサンの学習アプローチを再検討することにより、両親も教師達も成功に対する物差しを再定義することが出来ました。

継続的なサポートのもと、彼の進歩は小さな前進と後退の連続となるでしょうが、全体的には前進の兆しがあらわれています。4年生の終わりに、ある程度の便宜は計られましたが、五年生への進級をかけて、彼は一般テストを受けました。何と彼は、学内でたったの4人しかいなかった、満点達成の生徒の1人となったのです。

参考資料:
http://www.pbs.org/wgbh/misunderstoodminds/meetnathanV.html

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