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読字障害について
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アメリカのTV局、PBSのウェブサイトより、ドキュメント番組に登場した学習障害の子ども達のレポートを紹介します。

ローレン・スミス --- 社会的にうまく適応できなかったのは、彼女が学習障害をもっていたからでした

ローレン・スミスは賢く、想像性に富み、意見をはっきりもっている女の子です。テストの結果をみれば、彼女があらゆる教科で平均以上の知能をもっていることがわかります。でも、1年生のとき、彼女は恐ろしく注意散漫で全体をとらえる能力に問題がり、勉強に集中することができませんでした。ローレンはまた、衝動的で集団行動にもなじめず、なかなか友だちができなかったのです。そのうちに、自尊心がぼろぼろになって、彼女は内にこもり、ひとりぼっちになっていきました。

成績はどんどん落ち、ローレンの両親も先生たちも心配したものの、彼らは本当はローレンがどんなに優秀で能力があり、積極的な子どもだと思っていました。両親も先生も彼女の成績が落ちたのは怠けているせいだと思い、ローレンに学習障害があることに全然気付いていなかったのです。

ローレンが5年生になったとき、担任の先生は彼女に見られるいくつかの矛盾点 --- 賢いのに支離滅裂、外交的なのにひとりぼっち --- を両親に指摘し、両親はそのことについて真剣に考え始めました。両親は学習に関する専門家であるドクター・メル・レバインとドクター・スキップ・ベイカーに相談に行きました。この二人のドクターは、ローレンの問題の複雑性をはっきりさせ、両親は、ローレンの知性と創造性が、彼女が学習に対して問題を抱えている事実をわかりにくくしていることを理解しました。人とうまくやっていけないといった彼女の抱える社会的な問題は、ローレンが学習障害をもっていることのヒントでもあったのです。

ドクター・ベイカーは、あらゆる分野で集中力に欠けるローレンのような子どもは、脳内化学物質に問題があるからだと思っていました。注意力を司るドーパミンという物質がうまく分泌されていないからなのです。ドーパミンは、必要な情報を判断し、物事に集中するといった能力を含む、注意力に関する問題に関係している脳内物質です。ドクター・ベイカーは、そういった場合に、リタリンのような刺激物が役立つことを説明しましたが、ローレンも両親も薬を飲むというのは気が進まなかったのです。

新しい環境、新しい友だちが、ローレンの成績を上げ、学校でもうまくやっていけるようになることを祈って、両親はローレンを新しい学校に入れました。注意力に問題のある多くの子どもたちの場合と同じく、新しい環境は彼女にとって初めは効き目があったものの、すぐにそれも薄れてしまいました。勉強面においても、学校生活においても、問題が解決しないため、ローレンの両親はローレンに薬を与えることを考え始めました。

ベーカー先生は、両親が投薬に対して躊躇していることについては理解を示しましたが、ドーパミンのレベルを上げるためにきちんと処方された薬を使わなければ、ローレンのような子どもは、薬と同じような効果をもつアルコールなどに頼る危険があることを強く主張しました。そこで、ローレンと両親はリタリンを使うことに決めました。

薬はローレンによく効き、1ヵ月以内でローレンは非常によくなりました。ローレン自身も自分で違いを感じています。「なんだかこう焦点が合ったような感じ。でも私が変わったわけじゃないの」。ローレンの担当医は言います。ローレンが今後もうまくやっていくために、学習的な面と社会的な面での戦略をもつことと正しい投薬が大切であると話しています。

参考資料:
http://www.pbs.org/wgbh/misunderstoodminds/meetlauren.html

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