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読字障害について
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ディスレクシアは文化によって違う

6000文字もあるといわれている言語である中国語。西洋人には、中国語で書かれた簡単な標識や説明書を読むことが、信じられないようです。

その理由が解明されました。英語スタイルのアルファベットを読むのと、漢字を読むのでは、脳の異なる部分を使っているというのです。

中国で学校に通うディスレクシアの子どもたちの場合、アルファベットを使う言語を読む場合に使っている脳とは別の部分に問題があることがわかりました。
これによって、ディスレクシアはすべての文化で同じではなく、世界に共通する生物学的な原因が存在するわけではないことがわかったと、研究者は言います。

神経科医は、この結果を“とても重要で革新的である”と言います。ディスレクシアには、ある共通の本質があるものの、西洋と東洋では、言語が脳へ送られて処理される場合に、機能の問題が違うかたちで働いているというのです。
国や言語によって、ディスレクシアに対してそれぞれ別の治療が必要ということです。

「私たちは考えるときに、アルファベットを中心にしてはいけない」とジョージタウン大学の神経学者は言います。

「読むということは、複雑な行為です」「この研究結果によって多様的な治療のアプローチに、もっとオープンになるべきだということが分かりました。」

ディスレクシアは、普通の知力をもつ人々が「読む、書く、言葉を習得する」ということに困難を覚えるという一般的な発達障害です。アメリカでは人口の5〜15パーセント、中国では7パーセントの人がディスレクシアだと言われています。

原因は複雑ですが、ディスレクシアは遺伝によるものという見解が指摘されています。研究者たちは、同じ遺伝子がディスレクシアに関係しているのではないかと考えています。また出生前の神経的なケガによって、脳の視覚、聴覚の通り道が変化してしまった結果かもしれないという説もあります。

「どの国でも、ディスレクシアは同じ原因で生じると推測していました」「しかし漢字を読むには、別のスキルが必要とされます。」

新しい研究によると、漢字を読む場合はLMFG(左前の脳回)と呼ばれている脳の部分が使われていることが明らかになりました。LMFGは脳の左前部に向かって位置しており、文字の解釈と結びついています。アルファべットとは違い、漢字は意味や対象物を示しています。脳をスキャンした結果、漢字を普通に読む人の場合、LMFGが機能していましたが、中国のディスレクシアの人の場合は、その回路に異常が見られたことを香港大学などが発表しています。

つまり、アルファベットを使う言語を使用する国のディスレクシアの人の脳で問題のある部分は、中国語を母国語とするディスレクシアの人の脳では、正常に機能していることになります。

その部分に異常がないからといって、中国のディスレクシアの人が英語で書かれた標識や説明書を読めるようになるというわけではありません。人間は一旦、読むことを学び始めると、第二外国語を使う場合でも、脳内では母国語と同じ回路を使う傾向にあるからです。

詳しくはこちらをご覧ください。

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