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コミュニケーションQ&A
バックナンバー No.1-20 No.21-40 No.41-60 No.61-80 No.81-100 No.101-120

毎週、コミュニケーションラボラトリーの中の Q&A から抜粋してご紹介します。

↓ 自分の気持ちを上手に表現することができなくて悩んでいます。
↓ 言葉をそのまま受けとらず、言葉の裏の心を読もうとしてしまう、そんな自分がきらいです。どうすればいいのでしょう。
↓ 夫がいちいち口うるさい。私が大雑把な性格なので、部屋がきれいに整頓できていないなど反省すべき点もあるのですが、朝食の際にお小言を言うのです。ある部分ができていたとしても、こっちもやってねと言われ、頭にきます。彼が求めているようにできるとは言えない私としては、つい「忙しいから」と言ってしまうのですが、このコミュニケーションはストレスです。どう答えるのがベストなのでしょう。

Q

自分の気持ちを上手に表現することができなくて悩んでいます。

A

「上手に」というのを抜けば大丈夫です。僕たちの人生を苦しめているのは「上手に」「ちゃんと」とか「しっかり」「真面目に」「一生懸命に」とか。つけなければもうばっちり。聞くけど、結婚式での主賓の挨拶と仲人の挨拶、好き?何か印象に残ったの聞いたことある?

だけど、新郎新婦の両家を代表して父親が挨拶する習慣、あれはしびれますね。時々お父さん、台詞飛ばしちゃう時あるじゃない。「アウアウ」になるの。以前僕の秘書をしてくれていた人の結婚式で、彼女のお父さんもセリフが飛んじゃった。言うこと忘れちゃってね。あーどうなるんだと思って2、3秒の沈黙の時間ができた。そうしたらお父さん、「まきこー」って呼ぶんですよ。「まきこ、お嫁に行っちゃうんだねえ」って。それでおしまいですよ。でもみんなその結婚式、二度と忘れないね。

本当の気持ちを言おうなんて思ったら「アウアウ」になるの決まってるじゃないですか。すらすらいったら全部うそ。こうやって喋ってる俺はどうなるのって問題ありますけど(笑い)。ある程度用意されたことはぺらぺら喋るんです。だけど本心言え、なんて言われたら「アウアウ」になるんです。そういうものです。そこに突入するかどうかで人生の方向性は随分変わってくる。

「アウアウ」に何回も出会ってると人に優しくなりますよね。待ってられるから。人間って本当に思ったこと言い合う時って「アウアウ」しちゃうんだなあって思います。その「アウアウ」が怖くて、みんな逃げてますけど、その中に入り込んでしまうと、人に対する理解は次元が違ってくると思いますよ。

生身の人間が本当に言いたいことや思ってることを外に出してくるなんてめったに触れることはない。本当にそういう機会に触れることがないから、いろんな事件が起こると思うんです。本当の気持ちとかって、そういうところで起こってるんです。それがみんな怖いもんだから、遠まわしにしてるけど、やっぱり踏み込んでいかないと、多くの人はうまく人に対する怯えから解放されない。本心聞くってのはそういうことですね。すらすらは来ない。ぺらぺらなんかは言えない。もしかすると言葉にもならないかも知れない。そういうものですよ。


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Q

言葉をそのまま受けとらず、言葉の裏の心を読もうとしてしまう、そんな自分がきらいです。どうすればいいのでしょう。

A

いや、そういうものだよ、人は。これは『サイエンス誌』にも載ってるでしょ、人間の脳の15%は、相手が言ってることとは別に、本当は何を思っているのかな、というのを分析するために使っています。なぜかというと、人間にとって人間は味方ですけど、人間にとって一番危ないのも人間なんです。この100年で、トラやライオンに食われた人は100人か200人いるでしょうけど、もっとかな、10000人でもいいや、人間が人間を殺した数は一億人いるわけで、人間にとってはすごく人間が危ない。

でも、もしあなたが信頼できる人といたりとか、深いコミュニケーションを交してすごく安心していると、その15%は休むことになるでしょう。そして、その15%が休むということはものすごい酸素の消費量と脈拍数を押さえることができて、それがすべて気持ちのゆとりとか、落ち着きというものにつながっていくでしょう。脳の15%に、どのくらい休息を与えるかことができるか、というテクノロジーは長生きと深く関係すると思いますよ。その方法を知らないと、一人でいる時間ですらも、あいつはこうだああだって自分の頭の中で分析して、シミュレーションして、日曜日の午後はそれで疲れちゃう。寝てる間に夢の中ですらも、あの時ああ言えばよかった、こう言えば良かったをやって寿命を縮めても仕方ないわけです。

それからもう一つ、ずっと付き合ってきた今までの人間関係の中で、心が病むわけですよ、ある程度。心が病むというのは、その15%がフル稼働しちゃうってことですね。同じ人間の所で何回も引っ掛かってる。例えば父親のこと母親のこと兄弟のこと、ずっと同じ所でつまづいてしまう。もしそれが、仮に1%でも解除されたら、すごいことなんですよ。その15%の内の何パーセントが自分の中でゆとりとして使われているか、ほとんどはそれで決まっちゃう。だから、自分はなんでそう思っちゃうんだろう、15%を休ませる方法を知らないとそう思うかもしれない。


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Q

夫がいちいち口うるさい。私が大雑把な性格なので、部屋がきれいに整頓できていないなど反省すべき点もあるのですが、朝食の際にお小言を言うのです。ある部分ができていたとしても、こっちもやってねと言われ、頭にきます。彼が求めているようにできるとは言えない私としては、つい「忙しいから」と言ってしまうのですが、このコミュニケーションはストレスです。どう答えるのがベストなのでしょう。

A

それは夫に対してのほめ言葉が足りないの。男は嫉妬深くてしょうがない上に、褒めてもらわないといられない生き物ですから、超ド級のヨイショを常に与えないといけない。褒め言葉の10や20は紙に書いて用意しておいて、朝から晩まで上から順番に読むだけでいいんです。気持ちは後からついてきますから。みなさん気持ちが乗ったらやろうと思ってるでしょ?心の準備に一生使ったって仕方ないんだから、言った方がいいんです。

女の子には男はみんな「かわいいね」っひとこと言えばいいわけですよ。思う思わないはどうでもいい。「かわいいね」と言ったら、女の子は頭の中で500回くらい連呼する、かわいい、かわいい、かわいいって。だから、旦那のこともとりあえず誉めておいたほうがいい。コストパフォーマンス低いですよ。「ああ、あなたと結婚して良かったわ」とか。本当にそう思う思わないかはいいんです。ほめる言葉を用意して順番に上から言っていく、というのが大事なんです。「あなたのうしろ姿に酔った」とか、「背中に哀愁感じるわー」とか、そういうことを言っておけば、男は小言を言わない。俺の背中ってカッコいいのかな? 高倉健みたいなのかな、ってクラクラしながら1日過ごしますよ。

誉め方は3つあって、一つは "I" を主語に持ってくる。私にとってあなたがいるってことはこういうことだ、と。もう一つは "YOU" という主語。あなたのこういうところがこうこう素敵ですね、という誉め方。もう一つは "WE" 。あなたがいるおかげで家族はこうよ、という。時々地球にとってあなたがいるってことは、やはり日本にとっては大事よね、とか言ってあげるんです。そんなこと言うのは恥ずかしい? 鏡の前で練習するんですよ。


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