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2006年05月08日
場の話
「たとえば、簡単に言いますが、
上皮細胞を培養皿で分裂させてみると、
分裂が進むにつれて細胞はどんどん平らな状態で広がって行きます。
がん細胞でない不死細胞の場合、
皿いっぱいに広がると、そこで分裂をやめてしまいます。
そこから細胞を少しとって別の培養皿に移すと、
ふたたび分裂を始めて、また皿いっぱいになるまで分裂しますが、
スペースのあるところでは、
つまり分裂を許される状況であれば、限りなく分裂しますが、
周囲の状況によっては、分裂しないで遠慮している場合もあるわけです。
最近の言葉でいうと、
「場を読む」とか「空気を読む」といった言い方をしますが、
体内で共同生活を送っていくためには、
細部にも抑制と協調性が必要だということでしょうか?
それに対して「場」を読まないのが、がん細胞です。
同様の方法で培養すると、
平らな皿いっぱいになるところまでは同じなのですが、
そうなっても分裂を停止しません。
そのままにしておくと、細胞が積み重なり、
こんもりと盛り上がってきます。
栄養があるかぎり、増殖しつづけるのです。
『不老不死のサイエンス』(新潮新書 三井洋司著)より\n
もっと自分を表現しなさい、とか、
自分をアピールする、とか、
確かにアメリカ人を相手にするときには必要なんでしょうが、
日本にいて、その言葉にはやや違和感を感じます。
だからといって、過剰な抑制や、
強要される協調性もいやですけどね。
もし、それに耐えられるなら、
私も自分が生まれたところに居るのかもしれません。
それについては、両親は早くからあきらめていたようです。


