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2006年07月31日

ベンジャミン・ザンダー


ケベックで開かれたICFカンファレンスの最終日に
彼の講演を聴き、ぜひ日本でも講演をと思い、
1年前から交渉を始め、
昨日、日本での初めての彼の講演会を開くことができました。

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彼の講演は、3時間半にもおよびました。
彼は自らピアノを弾き、
カルテットをその場でコーチし、
その場で音を変えていく。
また、参加した1300人全員に、歌を歌わせる。

そのときに、彼はコーチします。

今どんな表情で歌っているのか?
からだはどうなっているのか?
どんな気もちなんだ?


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コーチングをしながら、
彼は私たちの「可能性を開く」ことを試みます。

そして、彼は、たくさんのエピソードとともに
次のような内容を語りました。

・ ポジティブ・シンキングとポシビリティは違う
・ トランスフォメーションとモチベーションは違う
・ コーチは相手に変容を起こす一文を伝える
・ 偶然に出会った人ほど、関わりの可能性がある\n・ 可能性を見つけ出すと健康になる
・ 指揮者は、一歩先の可能性を指揮する
・ エネルギーはどこから来るのか?
・ 可能性は空気中に存在する。
  そのコンセントをいかに見つけるか

彼は言います。
世の中全部つくりものなんだから、
もっとましなものをつくった方がいい。

人と人とのあいだに「可能性」を見つける。
いかにダウンスパイラルな思考から 
可能性の思考にシフトするか、、、。


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土曜日、彼の乗る予定だった飛行機が遅れて、
彼は結局24時間かけて日本にやってきました。
翌日の午後1時から3時間半講演し、
その後レセプションに出て、
そのあとの食事でも、彼はずっと喋り続けました。

そして、今日の午前中はミーティングの予定です。
予定では10時開始でしたが、
それを早めて、もっと話そうということになりました。

その間、彼は疲れた表情も見せないし、
もちろん「疲れた」とも言いませんでした。

そのバイタリティーはどこから来るのか?

この疑問には、今日答えると、言っていました。
それから、なぜクラッシクでなければならないのか?
という問いにも、今日、答えてくれるそうです。

楽しみですね、、、。

Posted by itohco at 18:51 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月28日

坪田先生

今週の水曜日は、坪田先生に来ていただいて、
「アンチエイジング」について
お話していただきました。


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坪田先生とは25年来の友達なのですが、
彼はいつも新しい領域にチャレンジしています。
そのため、それなりに逆風も吹くのですが、
それでくさったり、誰かのせいにしたりしない人です。

ドライアイを日本に紹介したのも彼です。
また、レーシックもそうです。
おそらく「アンチエイジング」も、
彼が日本に広めたと思います。
アンチエイジングについては、
いろいろな解釈があります。

しかし、彼のアンチエイジング理論は、
私たちに可能性を感じさせます。

彼は言います。

「老化には介入できる余地がある。できることがある。」

寄る年波、
年だから、
年相応

これらの既成概念を超えて、

「老化に対してやれることがある」

と言います。

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講演の中では、実際に彼自身がやっていることを、
いくつも紹介してくれます。

たとえばサプリメント。
彼は、朝昼晩と大量にとっています。

普通に食事からとればいいのではないか? という質問に対して、

「食事からは、生きていくのに
最低レベルのビタミンやミネラルをとることはできるでしょう。
しかし、老化を遅らせ、今日をごきげんに生きるためには、
それ以上のものをとる必要があると僕は思います。
たとえばビタミンCも、僕は2000ミリ以上
毎日とっています」

また、講演の中で、自分が
「キレーション療法」を受けているビデオも流します。

(※キレーション療法:
  EDTAを点滴で入れる。動脈硬化の予防や、
  重金属の解毒に効果がある。)

そのほかに、彼は、
定期的に水銀を外に出すために、
DMSA(薬品)を飲んでいます。
水銀や鉛、アルミニウムなどが
体内に残っている量をチェックしながら
体外に排出していきます。

もちろん、水は一日に2リットル。
運動にも力が入っています。

それから、考え方や生き方。
そして、人とのかかわり方、、、。

こうして見ると、アンチエイジングも\n単なる情報と技術だけの問題ではなく、
誰がそれをやるかということが大事なのかもしれません。

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Posted by itohco at 14:53 | コメント (0) | トラックバック

2006年07月20日

古田貴之先生

今週は、古田貴之先生に講演していただきました。

古田先生はロボット博士で、
現在は未来ロボット技術開発センターの所長でもあります。

もちろん、ロボット開発のお話はとても興味深いのですが、
古田先生は、他の研究者とはやはり違う何かを感じさせてくれる方です。
それは、これまで講演していただいた、
すべての先生方に共通している部分だと思います。
 
毎回、講演の最後に質問の時間を設けています。
今回、一人の女性スタッフが質問をしました。

「ロボットを作って、先生は何を目指しているのですか?」


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古田先生は、即答しました。

「福祉・介護です」

私はまず、その答えに驚きました。

先生は続けて、

「私は、介護ロボットを作りたい訳ではないんです。」

と言いました。

ここからは私の要約ですが、

先生が作りたいのは、たとえば手が不自由であった場合、
食事をするのに、スプーンを\n口まで運んであげるようなロボットではない。
人は自分で動きたい、そして社会に参加したい。
だから、それをサポートする。
つまり、自分の手で、自分の口まで
運んでいけるようにサポートする。

モビール・スーツ、パワー・スーツのようなものを開発して、
直接、自分の手で自分の口に運ぶことのできるようなもの。
同じように、歩くことをサポートするようなもの。
 
身長190cmのロボット博士の求めるものは、
人の自律性を回復させること、
それから、人と人との関わりに価値を置くことでした。

ロボットをつくって、世の中の役に立つものをつくりたい
というミッションを終始話されました。
 
私たちは、ロボットの話を聞きながら、
これまでになく、人を身近に感じたのでした。

Posted by itohco at 15:30 | コメント (2) | トラックバック

2006年07月12日

場について

昨日は、清水博先生のお話を伺いました。


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およそ10年前にお会いしてお話を伺ったときとは、
また違った感動がありました。
私は本当に久しぶりに、
知的興奮と、知的感動を覚えました。

池谷先生の講演でも出てきましたが、
無意識の先行(自由意志に0.5秒ほど先行しておこる無意識)の話。
つまり、指を動かそうと思う前に、
指は0.5秒前に、無意識に動き出している、という話。

それから、居場所について。
二重生命(細胞として生きていて、
なおかつ、身体全体として生きているということ)で、
生きているということは、自分を表現するということだ。
そして、表現するキャンバスとしての「場」がある。


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とても全部を紹介できませんが、
コミュニケーションは、単に言葉と言葉、
意志と意志の交差ではなく、
実は、身体と身体、無意識と無意識の
コミュニケーションがそこにある。

そういうことは感覚的に理解していたつもりですが
論理的にそれが証明される過程は、やはり、圧巻です。

コーチングで言うなら、
単にコーチとクライアントの関係だけで
コミュニケーションが成り立つわけではなく、
各々は「場」の影響を受けているわけです。

その場そのものに働きかけない限り、
クライアントのパフォーマンスは変わらないのだろうと思います。

Posted by itohco at 17:10 | コメント (5) | トラックバック

2006年07月11日

ごきげんでいること

「ごきげんの法則」とか、「今日をごきげんで暮らす方法」とか、
ごきげんに関する本をいくつか書きました。

私は、社会に対する貢献とは、
できるだけ機嫌よくいることだと思っています。
不機嫌をやって、人に気をつかわせ、コントロールするのは、
あまりよい方法だとは思いません。

自分でもやったことはありますが、自信を失いました。

不機嫌やって、人を脅かすのは、
自分がどこか脅えているからなのだと思います。

そりゃ、怒ることもあるし、腹に据えかねることもある。
そのときは、その感情が通り過ぎるのを待たなければなりません。

または、害のない程度に発散させる。
間違っても、人に向けてはいけないと思います。

どんなに自分が正しいと思っても、人に向けるのは間違っている。

生きることは、自分の正しさを証明することが
目的ではありません。
そりゃ、自分の思ったようではないことに
いらつくこともあるでしょう。
それでも、それについて対話するのだと思います。

どれだけ時間がかかっても、
相手を理解するために時間をつかうのだと思います。
もちろん、自分を理解するためにも。

そういう時間をもつと、
他の人との関わりにも違いが生じるのを感じます。
自分に自信がもどってくるのを感じます。

それは、本当に晴れやかな気もちです。

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感動とは人間の中にではなく、人と人の間にあるものだ。

             ― ウィルヘルム・フルトヴェングラー ―
                   (ドイツ指揮者)

Posted by itohco at 17:05 | コメント (2) | トラックバック