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2006年02月28日

エンベロップ envelop とデベロップ develop

インドのノーベル賞受賞者で、アマルティア・センさんは、
ずっと長い間、貧困について考え続けた、貧困の原因は何かと。
その過程で彼はひとつの答えに行き着く。

つまり、貧困は情報がエンベロップ(封印)されてしまっている。
それによって、人もエンベロップ(封印)されてしまう。
もし、情報がデベロップ(開封)されていたら、
人は貧困にあえがないのではないかと。

  
天明の大飢饉で、領民を救った米沢藩主上杉治憲は、
飢饉に先んじて米倉を藩内各所に建てていた。
さらに上杉治憲は非常食の作り方を記した
「かてもの」という本を領民に無料で配った。
当時、餓死といってもほとんどは食中毒で、
衰弱した身体で雑草や木の根をかじり、
消化できずに下痢などを起こして死んでゆく。
「かてもの」は、それら非常食の中毒を起こさぬ料理法である。

---『風雲児たち』より---


上杉治憲は、情報をデベロップしたわけです。
 
昨今は、情報はたくさんデベロップされているのですが、
どの情報とアクセスしたらいいのか、よくわからない。
結局は、あふれる情報の中で、エンベロップされているようなものなのです。

どの情報とアクセスするか。

それは、情報とアクセスする以前に、
どのようなコミュニケーションを交わしているかによるのだと思います。

Posted by itohco at 19:27

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