2007年11月12日
ICF(国際コーチ連盟)の大会で話しました
先々週は、アメリカ西海岸のロングビーチで開催されていた
ICFのカンファレンスに出ていて、そこで講演をしました。
今回は、日本におけるコーチング、
特にエグゼクティブコーチについて講演してほしい
という依頼を受けました。
今年の1月のニューヨーク大学での講演が
ちょっとよかったので、推薦されたのでした。
講演の骨子は、
「なぜすばらしいアイデアやプランは実行されないのか」。
その答えは、実行するのは人間だから。
人は、すでに慣性の中で動いているから、
新たな行動を求められても、そう簡単には動けません。
それには、それなりのコミュニケーションが必要になります。
こういう話をすると、
「すわコミュニケーション」
ということになるが、そうはいかない。
用もないのにいきなりコミュニケーションが始まるわけではない。
その背景には「問いの共有」が求められます。
問いと、質問は違います。
よく「コーチは質問をして、クライアントから引き出す」
ということを耳にします。
しかし、質問が求めているのは答えであり、
ともすると、たったひとつの「正しい答え」を
求める可能性があります。
それがポジティブであれ、ネガティブであれ、
正しい答え、コーチの期待する答え、
世界が納得する答えであっても、
それは、すでに限界をつくってしまう。
質問には、答え、問いには、情報。
問いは答えではなく、情報を求めている。
問いを共有して、そこに情報が集まると、
そこから「選ぶ」ことができる。
この「選べる」という状態が、「創造的」なわけです。
コーチングの目的は、
選べる状態、創造的な状態へのシフトです。
そうなれば、単に質問だけではなく、
問いが共有される必要があります。
問いの共有。答えは強要しない。
問いが共有されると、
初めてそこにコミュニケーションが起こるわけです。
そこで起こるコミュニケーションの質は、
1対1のコミュニケーションではなく、
私たちの一部から、私たちの一部へ向けられたものとなるわけです。
*****
こんな風な話をしました。
本当はもっといっぱい話したのです。
話し終わったら、たくさんの人が寄ってきて、
いろいろと質問を受けました。
このあいだの itoh.com News にも書きましたが、
ちょっとしたイノベーションは起こせそうな気がします。
Posted by itohco at 16:22
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